ソーシャル・イノベーションより

野中郁次郎さん、廣瀬文乃さん、平田透さん共著の「ソーシャル・イノベーション」を読みました。

 

小さいものから大きいものまで、現在の地球には様々な問題が現れ始めており、個人や私企業の立場であっても、地球的な視野を持って行動することが求められている。そんな中、資本主義という枠組みの中で実利を重視し、私的利益の追求に傾注してきた先進国の人々の意識も変わり始めている。アメリカのハーバード・ビジネス・スクールではソーシャル・アントレプレナーシップ(社会的起業)のサークルの人気が上がったり、日本においてもNPOを中心とした社会変革活動が注目されている。

われわれは「何のために働くのか」という根本的意義そのものを問直し始めているのである。

本書は、地域や組織の「知」と人々の関係性を活用して社会的価値を共創する仕組みについて述べられており、以下の7つのケースの事例をもとに解説されている。(内容を合わせて少し抜粋させていただきます。)

1、霞ヶ浦の再生事業―アサザプロジェクト

2、葉っぱビジネスとワーク・イン・レジデンスー徳島県上勝町・神山町

3、過疎と少子・高齢化の地域改革―島根県隠岐郡海士町

4、市民協働のまちづくりー東京都三鷹市

5、企業理念を実践に移す活動―エーザイ株式会社

6、アートサイト直島―株式会社ベネッセホールディングス・福武財団

7、くもん学習療法センターー株式会社日本公文教育研究所

(上記ケースの内容は書籍をお読みくださいね!)

ソーシャル・イノベーションの定義

「ある地域や組織において構築されている人々の相互関係を、新たな価値観により革新していく動き」

言い換えると

「社会の様々な問題や課題に対して、より善い社会の実現を目指し、人々が知識や知恵を出し合い、新たな方法で社会の仕組みを刷新していくこと」

である。

これを実現するリーダー=社会起業家

「たった一人で問題に眼を留め、まるでとりつかれてでもいるように、変革へのビジョンを描き、人、モノ、かねを集め、ビジョンを形にしていく。そしてやがて、激しいうねりを巻き起こす。

知識創造の基幹プロセス

・表出化(E

・連結化(C

・内面化(I

・共同化(S

実践知リーダーシップの6能力

1、善い目的をつくる能力

2、現実を直観する能力

3、場をタイムリーにつくる能力

4、直観の本質を物語る能力

5、現物語を実現する政治力

6、実践知を組織する能力

今後は、知識創造コミュニティを中心に、共通膳を実現する社会的価値と、企業や組織が存続可能となる経済的価値を両立していかねばならない。

 

以上、大変簡単ではありますが、内容を一部抜粋させていただきました。私はNPO法人一新塾の講義の中で、上記ケーススタディ「アサザプロジェクト」代表の飯島さんに出会いその現場を重視したリーダーシップと創造性に感銘を受けました。20111月に内閣府から出された「社会意識に関する世論調査」によれば、66%の人たちが「日頃社会の一員として何か社会のために役立ちたいと思っている。」と回答している世の中になってきている今、自らの生まれてきた意義、人生の意味を見つめ直し、人生を歩んで行かねばならないのではないでしょうか。

日頃の活動の私の大義は「個人の目が輝く社会の実現」です。この大義を胸に、日々の活動に邁進していきたいと思います。長くなってしまいましたが、最後までお読みいただきましてありがとうございました。