キャリアアンカー その8

動機付社中、Monday Energize Coachの田岡英明です。

<価値観の探求:キャリアアンカーその⑧>

 

さて、キャリアアンカーの最後は「生活様式」と呼ばれるものです。

 

このタイプの方々は、生活様式をめぐって自分の存在を形作っていこうとする人たちで、キャリアの条件として生活様式全体を調和させたいと考えており、個人のニーズ、家族のニーズ、キャリアのニーズをうまく統合させる方法を見出したいといったことを追求しています。

 

このタイプの人たちはなによりも柔軟であることを望みます。自立にアンカーを置く人たちも柔軟であることを望んでいるのですが、生活様式にアンカーを置く人たちが彼らと異なるのは、組織のために働くことに非常に前向きだということです。ただし、その際この方々は、組織に一つの条件を求めます。それは、自分の時間の都合に合わせた働き方が選択できるという条件です。生活様式にアンカーを置く人たちが期待しているのは、特別の勤務形態よりも、むしろ組織が個人及び家族を尊重してくれることであり、個人と組織の間の心理的契約について腹を割って話し合える姿勢を持っていることなのです。

 

夫婦が共にキャリアを歩む傾向が進む中で、必然的にこうしたことが起こっているのかもしれません。組織の方針やキャリアにまつわる制度をもっと柔軟にすべきだということができます。

 

ダイバーシティ・マネジメントが求められる現在、生活様式にキャリア・アンカーをおく人のみならず、組織として新しいキャリアパスの導入を考えていかねばならない時代になってきています。

 

これまで、価値観と探求としてキャリア・アンカーと言われる8つのアンカーをみてまいりました。さて、次号からは新しい展開に入ってまいります。ご期待ください。