稲盛さんの講演録からなる「成功の要諦」を読みました。
①心と経営
・企業の場合、企業のトップの皆さんがどのような思いを毎日抱いておられるのかが大切
・没落と、持続する繁栄の間には、どのような違いがあるのだろうか。「どうしても成功したい」という強烈な思い、持続した思いというものが成功に導いて行きます。しかし、自分自身のエゴを源にして出た思いだった場合には、一時的な成功はしますけれども、永続的な成功はしないのだろうと思うわけです。
②なぜ経営者には哲学が必要なのか
・経営者の条件として、まず哲学が必要です。ただし哲学といっても難しいことを言っているわけではありません。人間として正しいことを基準にして、物事の判断をすべきであるということです。それは損得勘定でもなければ、戦略戦術論でもありません。それは人間として正しい道を歩くということです。それが必要なのです。
・利己、己を利するために、利益を追求することから離れて、利他、他人をよくしてあげようという優しい思いやりをベースに経営していきますと、会社は本当によくなります。
③安岡正篤師に学んだ経営の極意
・私たち一人ひとりが生まれてきた人生の目的は、世のため人のために尽くすことです。仏教では一燈照隅といいますが、どんな人でも何がしかの素晴らしい役割を持って生まれてきたわけです。その役割を通じて、世のため人のために尽くすことが大事なのです。
・稲盛さんの判断軸:「動機善なりや。私心なかりしか」
④人生の目的―人は何のためにいきるのか
・人生の目的は「心を高めること」「心を純化する」「心を浄化する」「人間性を高める」「人格を高める」―世のため人のために尽くすということ
⑤心を高め、魂を磨く
・この現生で人間がつくる原因の最初にあるものは何かと言えば、それは人間の思いです。
・運命はその人の性格の中にある
・人は正確に合ったような事件にしか出くわさない
⑥運命を開く道
・人生というものは、鉄道の線路のようなもので、節々のポイントで方向が切り替わっていくのだと思います。そのポイントこそが、運命的な人との出会いであり、またその人からいただく貴重なアドバイスなのです。その出会いやアドバイスを大切にすることで、人生の軌道を善き方向へと変えていくことができるのではないでしょうか。
さすが稲盛さんの人間学講話のなかからの内容だけあって大変深く内省させていただきました。
人生の目的に気づき、その為にはどのような生き方をしていけばいいのかということを本書全体いたるところに一貫したメッセージとして散りばめられています。混沌・カルマの現在、自分の軸を見直し、目の前の事象をすべてフィードバックと捉え、人生の目的を果たしていかねばなりません。