ピーター・M・センゲの「学習する組織」を読みました

前々からピーター・M・センゲの書籍を読もう読もうと思っていたのですが、その本の厚さからなかなか手を出しておりませんでしたが、ついに読んでみました~

 

学習する組織(システム思考で未来を想像する)

 

複雑で変化の激しい時代には、多様な関係者が真の対話を重ね、複雑な現実を見つめ未来のビジョンを共有することで、自ら創造し、再生し続ける組織が必要だ。

 

なぜ理念を掲げながら、組織の多くの行動や現実が理念から離れているのかに目を向けなければならない。

 

安定成長の時代には、効率改善や標準化が常套手段である。しかし、複雑に激しく変化する時代には、しなやかさ(レジリアンス)や多様性を強化することで、長期的な効率の最適化を図る。

 

「チームの中核的な学習能力」

・複雑性の理解(システム思考)

・志の育成(自己マスタリー・共有ビジョン)

・内省的な会話の展開(メンタルモデル・ダイアログ)

 

世界は相互のつながりをより深め、ビジネスはより複雑で動的になっていくので、仕事をさらに「学習に満ちた」ものにならなければならない。

 

将来、真に卓越した存在になる組織とは、組織内のあらゆるレベルで、人々の決意や学習する能力を引き出す方法を見つける組織だろう。

 

学習する組織をイノベートする5つの要素

    システム思考

パターンの全体を明らかにして、それを効果的に変える方法を見つけるための概念的枠組みであり、過去50年間にわたって開発されてきた一連の知識とツール。

・最も困難な経営上の問題を理解するためには、その問題を生みだしているシステム全体を見る必要がある。

・全体を見ることによって、私たちは健全性を育む方法を学ぶのだ。

    自己マスタリー

継続的に私たちの個人のビジョンを明確にし、それを深めることであり、エネルギーを集中させること、忍耐力を身に着けること、そして、現実を客観的に見ること

・独創的な仕事として自分の人生に取組み、受け身的な視点ではなく、創造的な視点で活きるということ。

・個人ビジョン(自分にとって最も重要なことは何か)

    メンタル・モデル

私たちがどのように世界を理解し、どのように行動するかに影響を及ぼす、深く染み込んだ前提、一般概念であり、あるいは想像やイメージでもある。

・世の中とはこういうものだどいう心に染みついたイメージ

    共有ビジョン

私たちが創り出そうとする未来の共通像

・「自分たちは何を創造したいのか?」という問いに対する答え

    チーム学習

チーム学習というディシプリンは「ダイアログ」で始まる。それは、チームのメンバーが、前提を保留して本当の意味で「共に考える」能力。

・メンバーが心から望む結果を出せるようにチームの能力をそろえ、伸ばしていくプロセスである。

 

上記5つのディシプリン(訓練)が一つの集合体として展開することが重要であり、中でもシステム思考は、全てのディシプリンを統合し、融合させて一貫性のある理論と実践の体型を作るディシプリンである。

 

本書の中では上記5つの要素をどのようにとらえどのように組織の能力としていくのかといったことについて、かなり詳しく述べられている。そしてまた、後半においては実際の事例をあげ、その効果を解説している。

 

組織は、自ら学び、進化し、回復する能力を計り知れない程もつ「生きているシステム」

世界は相互の繋がりをより深め、ビジネスはより複雑で動的になっていくので、仕事はさらに「学習に満ちた」ものにならなければならない。

将来、真に卓越した存在になる組織とは、組織ないのあらゆるレベルで、人々の決意や学習する能力を引き出す方法を見つける組織だろう。

 

私自身としても、この5つのディシプリンが混沌とする現在の社会の中における企業を、より本来のあるべき姿の組織にし、またそこで働く人々をあるべき姿にするものではないかと考える。何度も読み直し、しっかり腹落ちさ組織風土改革の一助にしていきたい。