「人が育つ会社をつくる」を読みました

高橋俊介さんが書かれた「人が育つ会社をつくる」を読みました。

内容としてはこれまで企業で行われてきた人材育成の仕組みが機能しなくなってきており、新しい人材育成の形を組織風土として持たなければ今後の企業の成長はないといったものです。

以下、興味深かった内容を抜粋します。

 

・今の会社で20代が今後も継続して働きたいと思うかどうかは、次の3つと関係が深い

①今の仕事の充実感

②今の仕事を続けることによる、今後の成長の可能性

③今の会社で将来のキャリアがイメージできるか

 

・縦序列のOJTが機能を失いつつあるこれからは、むしろ社員の自己啓発を支援する仕組みこそが大事

・マネジメントスタイルを従来の指示命令型の縦序列的なものから、質問型のコーチング的なものに移行する必要がある

・成長実感というのは一般にいわれるように「やりたい仕事につけたかどうか」という職種適合性や、「長期のキャリア目標を常に持っているか」というキャリアの計画性に左右されるのではなく、「いかに自分が日々の仕事に対して主体的に取り組んでいるか」という主体的ジョブデザインに負うところが大きい。

 

・若手社員が育ちやすい環境

①チャレンジングな仕事が日常的に与えられる環境

②コーチング的マネジメントスタイル

③健全な成果プレッシャー

 

・仕事のやりがいやキャリアの満足感、キャリアの自律感と相関関係が高い3つの因子と10の項目

第一因子:主体的なジョブデザイン行動

1、自分の価値観やポリシーを持って仕事に取り組んでいる

2、社会の変化、ビジネス動向について、自分なりの見解を持っている

3、部署・チームを超えて、積極的に周囲の人を巻き込みながら仕事をしている

4、仕事の進め方や企画を立てる際、今までの延長戦上のやり方ではなく、常に自分なりの発想で取り組んでいる

5、自分の満足感を高めるように、仕事のやり方を工夫している

第二因子:ネットワーク行動

6、新しいネットワークづくりに常に取り組んでいる

7、自分おネットワークを構成する個々人が、どんなニーズを持っているかを把握し、それに答えようとしている

8、自分お問題意識や考えを、社内外のキーパーソンに共有してもらうようにしている

第三因子:スキル開発行動

9、今後どのようなスキルを開発していくか、具体的なアクションプランを持っている

10、スキル・能力開発のための自己投資をしている

・リーダーの条件として:日本観や人間観を含む世界観を持つこと。グローバルな状況で、日本というのはどういう国なのかということを外国人にきちんと伝えられなければ、リーダーシップを発揮することはできない。あるいは、人間をどのように見ているかという人間観を自分の言葉で語れないリーダーに、ダイバーシティ環境でのマネジメントは無理である

 

・キャリアアドバイザーの役割12項目

①育成プラン、試練付与の組織的対応のミーティングのファシリテーションとアクションフォロー

②若手社員の成長支店に関する個別カウンセリングと、研修などによる直接的支援

3、中高年社員の再教育や職場の職務開発によるキャリア開発支援と人材活用推進

4、メンタル、家庭問題、セクハラ等、仕事に打ち込めない環境にある人の発見と専門家支援の確保

5、働きすぎなど職場のワークロードや勤務実態の把握と、必要な場合のアクション

6、次世代リーダーなどの将来コア人材の発掘と、ジョブアサインメントやメンタリングによるフォロー

7、中途採用人材や公募人材などの活用と組織定着、および社内人材マーケットの「戦略的活用の支援

8、ジョブアサインメントやマネジメントスタイルなどにおける、日常の育成風土の強化と検証

9、部門経営戦略の、スキル開発戦略、人材育成戦略、人材確保などへの落とし込み

10、組織のモチベーションとコミットメントの実態把握と、その強化のためのマネジメントへのフィードバック

11、部下のキャリア形成や育成で問題を抱える職場上司への個別のサポート

12、女性、特にワーキングマザーや要介護者を持つ人などへのサポート

・キャリアアドバイザー兼ヒューマンリソースマネジャーの必要性

以上です。

 

<所感>

働く人のモチベーション分析、これからのリーダーのあり方、人が育つ組織をいかに作っていくのかということを様々なデータをもとにわかりやすく書かれており、頭の整理になりました。

人が育つ組織風土醸成に対し、ますます役立てるよう、頑張ってまいります!